ごじゃはげ

日記と雑記とみじかい創作

【お知らせ】「かわいいハミー」一般公開が開始

Kaguya Planet で先行公開中だった短編小説「かわいいハミー」が、昨日から一般公開になりました。
すでに読んでくださった方、感想をつぶやいたり送ったりしてくださった方、本当にありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。

virtualgorillaplus.com

どなたでも無料で読んでいただけます。

10,000字弱の作品なので、20~30分くらいあれば読めると思います。
個人的には、スマートフォンからよりもPCからのほうが読みやすい気がします。 

むかしから、「物語」や「物語的」と呼ばれるようなものが好きでした。
自分で小説を書くようになってからも、そういうものにあこがれる気持ちがずっと変わらずあったので、”そうではない”ようなものと並行して、頻繁にそういう類のものを書いてきました。
そういう類のものは”そうではない”ものに比べると、どうしても小説として劣っていると判断されがちな(そこまで直接的ではなくても、どこか下位のものであるような扱いを受けている)気がしますが、そんなことはないんじゃないかな、とずっと思っていました。今も思っています。
作家の江國香織さんが、そういったことについて以下のような文章を書いています。何年か前にはじめて読んだとき、とても励まされた文章です。

 

 子供のころ、「桃太郎」でも「人魚姫」でも「かちかち山」でも「幸福な王子」でもいいのですが、シンプルな言葉でわかりやすく語られた、あるいは書かれた物語をそれこそごくごく飲むみたいに読んで、実際には見たことすらないもの――鬼とか、下半身が魚で上半身が人間という生きものとか、北欧の空気とか、ルビーだったかサファイヤだったかの目から流れ落ちる涙とか――をありありと見て感じた、あのような読み方をしてもらえる小説が、書けたらどんなにいいだろう。
 わかりやすいことはいけないことなのだろうか、という疑問が随分以前から私のなかにあって、それが、わかりにくい方が文学”的”なのだろうか、というある種の憤慨となって、エネルギーをくれたようにも思います。

江國香織 「婦人公論」(中央公論新社)2010年10月22日号掲載、『物語のなかとそと』(朝日新聞出版)収録)※ ””部分は引用元では圏点がふられた箇所になります

 

 「かわいいハミー」は、とても物語的な小説です。そこが気に入っています。

ハミーがたくさんの人にかわいがってもらえますように。
よろしくお願いします。