ごじゃはげ

日記と雑記とみじかい創作

【100w novel】無限の静寂

 自動運転モードのランプが点灯している。散らばったガラス片みたいな星々は、俺を嘲笑うようにして瞬く。何度もやったように、また『緊急停止』ボタンを押す。手ごたえはない。半透明の指先はむなしくボタンをすりぬける。隣席の副操縦士に、「まいるよな」と笑いかける。彼はクラゲみたいに首と腕をだらりと落としたまま答えない。頭の穴から出た血はとっくに乾いている。その奥で、かつて俺の肉体であった塊が、銃を頭にあてたまま倒れている。星が瞬き、終わらない闇と静寂だけが続いていく。