ごじゃはげ

日記と雑記とみじかい創作

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【お知らせ】たまゆらのこえ: 超短編小説アンソロジーvol.2

4月2日配信開始の『たまゆらのこえ: 超短編小説アンソロジーvol.2』に「こぶ男」「魔術」「ラフレシア」の3作を寄稿しました。 www.amazon.co.jp Amazonではもう予約開始になっているもよう。寄稿作はいずれもブログで公開済みの200~300字の超短編小説です…

地球の歩き方カレンダー

が当たった。『地球の歩き方』と『ムー』のコラボ本(『異世界の歩き方』)を買ったとき、読者アンケートに答えると抽選でプレゼントがあるとのことだったので応募していたのだった。すっかり忘れていた。こういうプレゼントが当たった経験があまりないので…

土鍋の目止め

おそらく一年のうちでいちばん忙しいと思われる時期が過ぎつつあり、過ぎつつあるだけで完了はしていないんだけど最も大きな山は越えた感じがあるのでほっとしている。毎度のことながら、今の仕事をはじめてから忙しい時期は猛烈に忙しく、暇な時期は閑古鳥…

【100w novel】こぶ男

踊れ、と言われて男は踊った。足はぎくしゃくとからまって、両腕は所在なく宙をおよいだ。音に乗ろうとするたびに、体が左へ傾いてしまう。左頬の瘤のせいだ。それでも必死で踊った。鬼たちは焚火をかこみながら、濁った酒を飲んでいた。はじめのうちは歯を…

【100w novel】ラフレシア

ヨウちゃんは世界一くさい花の話をした。世界一くさくて、世界一大きい花が南の島に咲いている。南の島ってどこと訊ねたら、ボルネオ、と言った。ボルネオってどこと訊ねたら、南の島、と言った。みんなが帰ってしまった公園で、私たちは砂場にふたりきりだ…

【100w novel】魔術

夕立に崩れてしまった塔の屋根を踏みつける足の親指にあるほくろの色は遠い国では魔術に使われていたという石の色、石のまわりに置かれた蝋燭がすべて溶けてしまう前に願いを千百十一回唱え、猫の髭と月の光をまぜた水、そこに胡椒をすこしと鼠の灰、すべて…