ごじゃはげ

日記と雑記とみじかい創作

【100w novel】パートタイムジョブ

 シフトを増やしてほしいとリーダーに伝えたけれど、「無理だ」と一蹴された。ロッカールームの壁を殴ったら、その振動で『荷物の取り違えに注意』のポスターが剥がれた。帰宅して、だめだったよと妻に伝えると、彼女は「仕方ないわよ」と爛れた唇を歪めて優しく微笑んだ。「明日は?」妻が訊いた。「明日は24時から27時」もちろん残業は禁止だ。死亡人口は年々増え続け、ゾンビもどんどん増えた。有効求死人倍率から考えれば、シフトがあるだけでも本当は感謝するべきだ。とはいえ。ため息を吐いたらうっかり目玉が落ちたので、俺はそれを拾い上げる。あれ、これ俺のじゃないな?