ごじゃはげ

日記と雑記とみじかい創作

【100w novel】骨骨

「ちょっとだけ、お願い」彼女は言った。「ちょっとのあいだだけ、私の代わりに入ってて」陶器のような指がさす先には墓石と、穴と、掘りかえされた土があった。「後悔はさせないよ」彼女が言うから、私は言われた通りに穴に入った。土をかぶって彼女を待った。待った。ずいぶん待った。土の毛布はあたたかく、胸の隙間を虫が這った。ようやく彼女が戻ってきて、掘りおこしてくれたとき、私は彼女とそっくりな白い骨になっていた。私たちは手をとりあって、ずっと仲良く楽しく遊んだ。