ごじゃはげ

日記と雑記とみじかい創作

お正月の日記

元旦は実家へ行った。
実家のお雑煮は讃岐風で、白味噌にまるい餡餅が入っている。讃岐のお雑煮はキワモノ系の扱いをうけがちだけど、この甘じょっぱいお雑煮が私は大好き。しょっぱい・甘い・すっぱいがひととおり揃うおせち料理とも好相性だと思う。やわらかい丸餅を箸でくずして、あんこをちょっとずつ白味噌の汁に溶かしながら食べるんだけど、一年ぶりに食べると、毎度そのおいしさに「ん~~~~~~!」となります。
ん~~~~~~~!お正月がきた!と。
関東風のすまし汁に焼き餅のお雑煮も好きなので、これは自分で勝手につくる。今年はなんだかいまいち味が決まらなかった。醤油が足りなかったのかな? 出汁にこだわろうとして昆布やら鳥やらあれこれわやしたのも敗因だったような気がする。
お餅は焼くのも煮るのも、しょっぱいのも甘いのも好き。まるい餡餅は都内ではほぼ購入できないので実家でついたものを食べるのみだけど、スーパーで見かける角餅はたくさん買い置きしてあるので、お正月が終わってもしばらく充実の餅生活(モチライフ)が送れそうです。おすすめの餅レシピ、随時募集しています。

実家ではお正月にその年の抱負を書き初めをするのが恒例行事。
今年の私の書き初めたち。

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一部抱負でもなんでもない、新年早々欲にまみれた文字が混ざっていますが。

書き初めの後は叔母夫婦が買ってきてくれたガレット・デ・ロワを食べました。ここ数年食べるようになったガレット・デ・ロワ、はじめてフェーヴ(のかわりに入っているアーモンド)が当たって王様になりました。2022年、幸先がよい。

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ロブションのフェーヴはお料理がかたどられていてちょっとめずらしい。肝心のガレット・デ・ロワの写真は撮りそこねてしまったんだけど、ぱりぱりのパイ生地と重たすぎないアーモンドクリームがおいしくていくらでも食べられそうだった。

いつもは食べないちょっと特別なものを食べたり、御挨拶と称しておめでとうやよろしくを言い合ったりするお正月がけっこう好きです。
今年もいいお正月が過ごせました。また一年がんばろう。

2021→2022

あけましておめでとうございます。

年内に2021年のふりかえりをするぞと意気込んでいたのにあれこれしているうちに23時をまわり、いやまだあきらめん書くぞ書くぞとPCにむかうもWi-Fiの調子が最悪で、どうにかこうにか接続されてちらっとのぞいたTwitterのタイムラインで『うる星やつら』再アニメ化のニュースを見かけてしまいもう全然ブログを書いているどころではなくなってしまった。ほんとうに?ほんとうに再アニメ化されるんですか?

2021年はたくさんの幸運に恵まれて、自作を発表する場を得られてありがたい一年でした。感謝ばっかりです。もっともっとがんばろう。
2022年は能動的に書いていくのが目標です。能動的に書いていく、書いていくために能動的になる。年末最後に配信した『ザリガニ通信』もその一環でした。能動的に、書き続けられるようにがんばるぞ。

今年もどうぞよろしくお願いします。

2021年の発表作品リスト
(英訳作品はすべてToshiya Kameiさんによる訳です)
  • "Neighs and Cries" (New World Writing)

    newworldwriting.net

  •  "Do It Well" (A Story In 100 Words)

    entropy2.com

  • "Ding-dong"("HOME:Hundred Word Horror anthology",Ghost Orchid press)
  • 「溺れる人魚」(破滅派)
  • 「かわいいハミー」(Kaguya Planet)
  • 「親を掘る」(『kaze no tanbun 夕暮れの草の冠』柏書房
  • 「白神」(破滅派)
  • 短篇集「花を刺す」(惑星と口笛ブックス)
  • "The Lovely Bones","Gardening"("Beneath:Hundred Word Horror anthology", Ghost Orchid press)
  • "Date with a Kappa", ”A Forked Tail”, ”Once a Drunkard”("Mythical Creatures of Asia", Insignia Stories)
  • "Living with the Stars"(Eunoia Reviews)

    Living with the Starseunoiareview.wordpress.com

  • "An Infinitie Stillness"("Cosmos:Hundred Word Horror anthology", Ghost Orchid press)
  • "Drowing in Sand"("The Deep:Hundred Word Horror anthology", Ghost Orchid press)
  • "A Late-Night Visit", ”Tan-Tan Kororin”, ”Keeping Count”("Mythical Beings of Asia", Insignia Stories)
  • 「垢嘗」「庭仕事」「鵺」「砂上の溺死」「骨骨」(『てのひらのうた:超短編小説アンソロジー』)
  • 穴子プリン」(『ザリガニ通信 Vol.00』)

 

ネットプリント『ザリガニ通信vol.00 穴子プリン』

いろんな人がやっているのを見て一度やってみたかったネットプリントをやってみました。

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セブンイレブン ネットプリント
ザリガニ通信 Vol.00「穴子プリン」
予約番号 99911525
印刷代  20円
有効期限 2022/01/06 23:59

はじめてなのでお試しという意味もあり、今年書いた中でも気に入っている掌編「穴子プリン」を載せました。いい感じだったら次回からは新作を載せたい。(本当はこれ用に新作を書いていたのですが、一枚におさまりきらなかったのでした。)
A4用紙1枚なので、年末年始の隙間時間のおともになれば。

今年のまとめは明日にでも書けたら書きます。
今日はこれから牡蠣をバターで焼いて食べるのだ。がはは。

冬がはじまってるよ

寒いのが苦手です。

自宅PCは窓際のデスクに設置してあるので、仕事や何やかんやをするためにPCを使うときにはそこへ座ることになる。ベランダに面した窓は晴れていれば日当たりがいい。日当たりがいいとスクリーンに光が反射して見えづらい。だからカーテンを半分しめて、自分とPCのところだけ日が当たらないようにする。かろうじて太陽光で暖をとれていたのに、その暖が断たれる。寒い。夜は日が当たらない。暖房をつけていても窓からの冷気が足先から胴体、指先までを深々と冷やす。寒い。これがくりかえされるのが冬という季節です。
窓際じゃない場所で作業できればすこしは寒さが違うかも知らんということで、ずいぶん前からノートPCがほしいと思い続けてはいるんだけれど、仕事や何やかんやをするのはほぼ家で、というかほぼ24時間365日家にいる自分に果してほんとうに必要か……?と考えるとふみきれない。冬のあいだ家で作業場所を変えるためだけにするほど安い買い物ではないし、外でのインターネットはiPhoneで事足りるし、みじかい文章でいいならポメラがあるし。だからとりあえずデスクで膝掛けにできるようなブランケットを買うことにした。手ざわりがよくて、あたたかくて、見た目もかわいいやつがほしい。できれば洗濯も簡単だとうれしい。それなりに条件が多くてストライクゾーンがせまいため、なかなかしっくりばっちりくるものがない。買えば自分のそばに長時間配置するものなので、あまり妥協はしたくない。とりあえずカイロを買いだめしておくか……。

とぐずぐずしているうちに、今年もまたノートPCもブランケットも買わずにカイロでやりすごすだろう未来が見えました。今。あなたにも見えましたか。

しかし私は未来予知の才能と未来回避の技術を持ちあわせているので、今年はせめてブランケットだけでも買うぞ。本気だ。とりあえずカイロは買ったが。

写真はヒーターの前に陣取って、手先を交互にあたためている実家の猫です。私も末端冷え性だから気持ちはわかるよ。

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おいしい給食

キャンペーン終わったの? と友人から連絡がきた。
キャンペーンと銘打ったものの期間は決めていなかったので、このままひっそりフェードアウトしてうやむやにしようとしていたのだけど、読んでくれていたことがうれしかったので書きます。キャンペーンはうやむやにしておきます。

タイトルは最近見ているドラマです。
すこし前から見始めたこの『おいしい給食』というドラマがめちゃくちゃおもしろい。1980年代を舞台にしたドラマで、市原隼人演じる給食に愛と情熱のすべてを傾ける中学教諭が主人公。市原隼人さん、私はとくに何の感情も持っていなかったのですがこの作品を見たことによって今やかなりの好感を持っています。オーバーな演技、キレのある動き、ワイシャツに隠しきれないガタイの良さ。それらすべてが主人公の狂気をよりいっそう引き立てている。とくにガタイの良さというのがポイントで、「筋肉バカ」設定の体育教師よりも厚い胸板、腕のたくましさ、首の太さ、見るからに体幹が強そうな姿勢の良さ。生徒相手に出す声のドスのきき方も凄まじく、そんな彼がちいさなアルマイト皿と先割れスプーンを手にきゃっきゃしているときのギャップが完璧です。完璧に面白い。あとこの時代設定もまた絶妙で、現代であれば問題になりそうな場面もこの時代ならさもありなんと見流せてしまう。
私が今見ているシーズン1は2019年に放送されていたものらしいのだけど、こんなおもしろいものが放送されていたなんて全然知らなかった。24分の枠だから深夜だったのかな? 映画化もされているらしく、現在はシーズン2が放送中とのこと。まだしばらく楽しめそうで嬉しい。とにかくめちゃくちゃおもしろいのでみんな見てください。Amazonプライムビデオで見られます。

給食といえば小学生の頃、母は毎朝登校前にその日の給食の献立を教えてくれた。「今日はカレーだって」とか、「揚げパンが出るよ」とか、冷蔵庫に貼った献立表を毎日読みあげて私に教えてくれていた。おそらくそうすることで、私の登校意欲をすこしでもアップさせようとしてくれていたんだと思う。私は十歳くらいまでかなり無口でぼんやりしている鈍くさい子で、もちろん今でもぼんやり鈍くさいところはあるんだけど、当時の私の無口・ぼんやり・鈍くささは常人の比ではなく、そんな子が学校生活をうまくやれるはずもないから三年生くらいまで小学校は全然楽しい場所じゃなかった。だから、実際ほんとうに体が弱いということもあったけど、熱もないのにしょっちゅう学校を休んだし、隙あらば保健室でぐーぐー寝ていた。そのせいか今でも小学校について思い出すときには、いちばん最初に保健室の天井とベッドリネンのにおいがよぎる。当時の保健の先生は、あきらかに仮病でも私をベッドで一時間でも二時間でも寝かせてくれた。私は今とちがって無口でぼんやりして鈍くさく、でも今とおなじく単純で食いしん坊だったから、母から給食の献立を聞くと(カレー……)(揚げパン……)なんて思ってたしかにちょっとだけ行く気になった。本当にちょっとだけだけど。
みんなで向かい合っておしゃべりしながら楽しく食べなきゃならない時間は正直言って嫌いだったし、牛乳は好きだったけど瓶に直接口をつけるのとか、どれだけ注意して飲んでも牛乳が瓶を伝ってトレイの上で白い輪っかをつくるのとかはかなり嫌だった。それでも給食自体は好きだったと思う。はっきり言っていまいちなメニューも多かったけど、好きなメニューも結構あった。ワカメごはん、こぎつねごはん、イカ飯、ジャージャー麵、大学芋、中華コーンスープ、揚げ餃子、さんまのかば焼き、大豆とじゃこの甘辛炒め……ほかにももっとあった気がする。そういえばエビクリームライスというメニューがあって、これは給食でしか見たことがないメニューだった。今思えばただのエビ入りクリームシチューかけご飯なんだけど、私はこれが大好きで、母に口頭でああでもないこうでもないと説明して作ってもらった。
ちなみに私が小学校を卒業した後、母は講師として小学校に勤務しはじめて、今も現役で働いている。働きだしてからも母はその日の給食の献立を教えてくれたり、おいしかったメニューの話をしてくれる。と、ここまで書いてもしやあの頃日々献立を教えてくれていたのは、ただ母自身が給食好きだっただけなのではないかという疑惑が浮かんだけれど、浮かんでいないふりをします。おいしい給食、ひさしぶりに食べたいね。

『かわいいハミー』への感想文をいただきました

こちらには書いていなかったのですが、この九月からフリースクール札幌自由が丘学園で『かわいいハミー』が国語教材として採用されています。
それだけでも十分ありがたいお話だったのですが、昨日、生徒さんたちが書いた感想文を送っていただきました。

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短いながらもきっと授業では一生懸命ハミーの事を考えてくれたんだろうということが伝わるもの、書いている瞬間もまだ頭のなかで物語を考察し続けてくれているんだろうもの、そこに書かれていない部分にまでしっかり思いを寄せてくれているもの、作者がひそかにこだわっていた細かな文章表現に注目してくれたもの、読書や文章が苦手だけれどと前置きしながらもたくさんの言葉を尽くして好きな場面について書いてくれたもの。
どれも本当にありがたくて嬉しくて、一文字一文字噛みしめるように読みました。

『かわいいハミー』は以前このブログでも触れたように、物語的であることをつよく意識して書いた作品です。わかりやすくて、見たことがないはずだけれどどこかで見たような場所で、子どもから大人まで読めて、でも読んだ人の心にずっと残るようなものが書ければと思って書きました。だから教材という形で読んでもらえたのは、作者としてはとても喜ばしいことでした。そのうえ、こんなに一生懸命書いてくれた感想文がいただけるなんて。『かわいいハミー』は幸せな作品です。
感想を書いてくれた生徒の皆さん、そして採用を決めてくださったフリースクール札幌自由が丘学園の新藤理さん、本当にどうもありがとうございました。
いただいた感想はずっと大切にしたいと思います。

 

『かわいいハミー』は現在もVG+で無料公開中です。
virtualgorillaplus.com

酉の市

短篇集が出たのでブログを更新しようキャンペーン。

酉の市へ行ってきた。
雨だし平日だし一の酉*1だし、今日はそんなに混んでいないだろうと高をくくって行ったのだけれど混んでいました。何なら雨で皆が傘をさしていることもあり、晴れの日よりも密度が高かったのではないか。

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濡れながらも絶対ブログにあげるんだというつよい気持ちで撮った写真。

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人懐こそうなトラ。毎年、ついつい干支が入っている熊手を買いがち。

酉の市で熊手を買うようになってからもうたぶん六年くらい経つんだけれど、ここ数年はこのくらいのサイズの置き型熊手が定番です。
ほんとうは商売繁盛を祈願して毎年少しずつ大きくしていくのがセオリーらしいんだけど、自営業といっても私には飾っておく店も事務所もないし、住んでいるのは賃貸マンションだから熊手を取り付けられるような柱も梁も神棚もないしでこのタイプがいちばん便利。いつも名入れは名字だけなんだけど、今年はなぜか下の名前も入れてくれるとのことだったので入れてもらった。

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これは帰りに伝法院通りで見つけた鳩。伝ポー院の伝書鳩(伝を書く鳩)ってこと?

傘もさして長靴もはいていたのにけっきょく雨でべしょべしょになって帰宅。
帰り、鷲神社を出てすこし歩いたところにある花屋でフォックスフェイスが売っているのを見かけて、そこからずっと頭のなかで中島みゆきの「キツネ狩りの歌」が流れていた。
フォックスフェイス、私は名前を知るまではきみょうな形の植物という印象しかなかったけれど、名前を知ってからはちょっとこわいと感じるようになった植物です。キツネの顔というイメージが、かわいいとも思うけどちょっとこわい。かわこわい。今調べたら「ツノナス」というのが正式な名前らしい。あれナスなんだ。Wikipediaによれば、

カナリアがとまっているように見えることからカナリアナス(金糸雀茄子)とも呼ばれる。 英語では果実の形から、"nipplefruit"(乳首状の果実)や"Cow's Udder"(牛の乳房)、"Apple of Sodom"(ソドムのリンゴ)などと呼ばれる。

とのこと。フォックスフェイス以外の名前はそんなにこわく感じない。"nipplefruit"とか"Cow's Udder"にかんしてはちょっと笑ってしまった。フォックスでいうところの耳部分はどうなったんじゃと思うけど、確かに似てるね。冷静に考えてみればキツネの顔がぽこぽこ生っている植物も、乳首がぽこぽこ生っている植物も、おんなじくらい不気味なはずなんだけど。

帰宅したあとは濡れた服を着替えて熱い紅茶を飲みながら本を読んだりうとうとしたり。昨日までがとにかく忙しかったから、ひさしぶりにのんびりできた。
ツノナスのnippleはどの絵画のnippleにいちばん近いかなと思って手持ちの本(『乳房美術館』編著=銀四郎)をぱらぱら見て、そこまでしっくりくるnippleはなかったものの、アンヌ=ルイ・ジロデ・トリオゾン 「ダナエに扮したランジェ嬢」とクールベの「波の中の女」がわりといい線かなという結論に。こうして見てみると西洋絵画はnippleがやけに小さいものが多い気がする。そのあと、ウー・ウェンさんの『料理の意味とその手立て』を読んでいたら中華を食べたい気持ちになったけど夕飯はお好み焼きを食べた。キャベツを刻んでいる時点でお口の気分は中華からお好みソースに変わっていたので結果オーライ。

たまには日記っぽいブログを。今日も宣伝貼っておきます。よろしくどうぞ!

 

 

*1:酉の市は毎年十一月の酉の日に開催されます。酉の日が二回ある年は一の酉と、二の酉の二回開催。三回あるときは三の酉まで開催。今年は二回開催の年で、一の酉が平日で二の酉が日曜日の開催だったので、平日の一の酉は空いているだろうと踏んだのですが、そんなこともなかった。あまかった。